人生初・陸路国境越え
朝6:30。昨晩、早々にブレーカーが落ち強制消灯されたお陰で、今日も夜更かしすることなく早起きできた。不器用な出来栄えの目玉焼きと珈琲を味わったのち、いざ出発。
宿を出ると今日も雲一つない青空が広がっていた。パミール高原は空気が乾燥していて肌にダメージを受けるのがツラいが、一方でほぼ毎日このように快晴の日がほとんどなのはありがたい。
今日のルートは、カラクル村(Karakul vil.)スタートで最初にウイ・ブラク峠(Uy-Buloq pass)、次に国境に位置するキジルアート峠(Перевал Кызыл-Арт)を越えたのち、サリタシュ(Сaрйтaш)までダウンヒルする計100kmのコース。日本であれば余裕で走破できる距離だが、Maps.meやRIDE with GPSで確認する限り、国境前後60kmは未舗装路表示。また出入国審査にどれだけ時間が掛かるか読めないので、今日もなかなかヒリつきそうな予感…。

どこまでも延びる直線路を進む。
左側にはずっとカラクル湖を望むことができ美しい。
湖を眺めながらのんびり走っていると、ユーラシア大陸横断ニキとばったり再会。軽くバトりながら登って、1つ目の山場ウイ・ブラク峠制覇。地図には載っていない謎の湖(池?)を拝むことができて、嬉しいサプライズ。
この峠に至る区間についても、Maps.meでは意味深な未舗装・渡渉表示があったが、ずっと綺麗な舗装路が続く。「もしかしてキジルアート峠までずっと舗装されてるんじゃね?」とすら思ったが流石にそこまでイージーなはずもなく舗装路は程なく終了した。

とは言えここからキジルアート峠まで残り10km。その後はひたすら下るだけなので心は穏やかだ。

道中、ワハーン回廊で会ったバイク乗りの親子と、同じくキャンピングカーで大陸横断中の夫婦を見送りながら登ること幾時間。夢にまでみたキジルアート峠のゲートが見えてきた。
ゲートに近づいてみると、柵の前に車が3台ほど並んでいる。「ここで待つのかな?」とジュースを飲みながら待機していると、タジク軍の方が来て「自転車は先に行ってええで」と言って案内してくれた。
ジグザグの道を進んだ先には同じく軍の方がおり、ここで出国審査が始まった。私が訪問した前々月、2025年6月までこの国境は(キルギス・タジキスタンの関係悪化により)閉ざされていたこともあり、厳しい国境審査を覚悟して臨んだ。が、特に簡単な質問のみで荷物検査なども特になく通過させてもらえて拍子抜けした。
去り際に「タジキスタンにまた来たいと思った?」と聞かれたので「もちろん!!」と言ってその場をあとにした。
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空気の薄さを感じながら最後の力を振り絞って登る。
すると頂上感ある大きなモニュメントが見えてきて…
そして…….
キジルアート峠(標高4,282m)制覇ッ!!
ここに来るまで何度も心が折れそうになったが、頑張ってきて本当に良かった。
言葉では言い表せない感情をグッと握りしめながら、今この瞬間の景色を心に刻み付けた。
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キルギス側に下り始めると、先程までと比べ徐々に緑が増えてくる。
この山を境に気候・植生も変化しているのだろうか?
色が明らかにおかしい川を横目に、良質なグラベルロードを下り続ける。
途中渡渉を楽しみつつ…

約15kmダウンヒルしたところで舗装路となった。が、入国審査所が一向に見当たらない。
「普通こんなに離れてるものなのか?」疑問に思いながら走っていると、山頂から20km離れた所にようやく入国審査所があった。
「これもし入国拒否されたら、あの激坂クソガレロードを登らなきゃいけないんだよな?」と恐る恐る審査所に入ったが、こちらも普通の質問のみで特に荷物検査なども無くスルーでき胸を撫でおろした。
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牧歌的な風景を楽しみながら走ること約3時間。本日の目的地・サリタシュの町が見えてきた。
両替・SIMカードの入手を無事済ました後、本日のお宿Guest House Elizaにチェックイン。
美味しい夕食に舌鼓を打ったのち、安心感からか泥のように眠りこけた。
サリタシュの町では、両替は主に商店(магазин)で行うことができる。一部対応してくれる宿もあるらしいが、商店の方がレートが良いケースが多い。また、(キジルアート峠が観光客以外通行不可となっているため?)タジキスタンの通貨ソモニより、USドルの方が両替してもらえる可能性が高い。
SIMカードについても同じく商店で購入することができる。入口にBeelineなど携帯キャリアのステッカーを貼っている商店であればだいたいプリペイトSIMを買うことができ、お値段は1週間用で1,000円ほどとお手頃価格。最近だとeSIMを使う人も多いかもしれないが、中央アジアでは圧倒的にプリペイトSIMの方が安いので、節約したい人はこちらがオススメ。(あとキルギスではソ連時代の名残?で通信開通の「バランス」という手続きが必要で、若干手こずる可能性がある。お店でやってもらった方が確実かもしれない。)
■商店の場所
爽快ダウンヒル
深い眠りから目覚め、おもむろに時計を見ると時刻は6:30。今日はオシ(Ош)まで180kmと、パニアバッグ装備で走る距離としてはなかなか重め。軽くストレッチをしたのち朝食をmgmg。タジキスタンでは目玉焼きはぐちゃぐちゃのモノがほとんどだったが、キルギスに入った途端綺麗な目玉焼きが出てきて、改めて別の国に来たことを実感した。
宿を出発し300mほど登ると、タルディク峠(Перевал Талдык)の頂に辿り着いた。
この看板の先に実は登り返しがあって地味にキツかったw
ここ標高3,550mのタルディク峠から、100km先にある町グルチャ(Гүлчө)まで高低差2,000mを一気に駆け降りる。いよいよ世界の屋根から下界に下りる時がきたのだと、一抹の名残惜しさを感じながらダウンヒルを堪能した。
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峠区間が終わると、周囲は一気にキルギスらしい牧歌的な風景に早変わり。
道路を大量の羊たちが闊歩していてとても癒される。
ここから先、グルチャまでは様々な景色を楽しみながら進んだ(割愛)






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グルチャに着いたところでエナドリ補給。旧ソ連圏でたびたび見かけるエナドリ・Adrenaline RUSH。レッドブル等と比べて、甘すぎなくてとても美味しい。
カフェインをキメたところで今旅最後の峠・チウィルチク峠(Chyyrchyk Pass)に臨む。グルチャから900mUP、標高2,389mと壮絶な旅の〆に相応しい好敵手だ。
昨日までと比べて標高が低い分気温が高くてしんどいが、時刻はまだ14時過ぎ。普通に走ればナイトランにはならないはずなのでマイペースでペダルを回し続けた。
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道中、パトカーから「GO!GO!GO!」と拡声器で声援を受ける激アツイベントを受けながら、何とかチウィルチク峠制覇!!

頂上の時点で時刻は16時で、オシまでは残り50km。数々の難所をクリアーした喜びを胸に、最後の力を振り絞ってひたすら漕いで漕いで漕ぎ続けた。
途中、中国ナンバーのクソデカトレーラーがたくさん走っていて普通に怖かったが、複数国の国境が点在しているエリアの幹線道路なのでこればかりは仕方がない。
そしてついに実質ゴールの町・オシに到達した。
五体満足でゴールできたことを祝して乾杯🍻
このLINE BREWというビール、どれも美味しかったのでオススメ。
オシは国境付近に位置する町ということもあり、両替屋がたくさん存在する。入出国ゲート付近の出店でも両替は可能だが、中心街の方がレートが良いケースが多くオススメ。多くのお店でUSドルや中国元、ルーブルは取扱いがあるが、タジキスタンの通貨・ソモニを取り扱っているお店はぱっと探した感じでは見つからなかったので注意が必要。
エンドロール
楽しい一夜が終わり、いよいよ長かった今回の旅も今日で最終日。自転車を手押ししつつ出入国審査を受けて、再びウズベキスタンに入国。ほかの人は長時間質問を受けたり手荷物検査をされていたが、私は3個ぐらい質問受けるだけで簡単にスルー出来た。改めて日本のパスポートてやっぱり強いんですね。
国境から幹線道路を走ること2時間ほどでアンディジャン駅に到着し、そそくさと自転車を輪行袋に詰めた。
そして電車に乗り込み、タシュケントの町を目指した。黄色いスリガラスを通して見る景色は、どこかノスタルジックな雰囲気でとてもエモい。





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タシュケント到着後は宿で寝た後、フライトまで軽く市街地を散策した。





散策後はタシュケントでも少々お高めのレストランに入店してウズベク料理を堪能。
昼間っからビールやコニャックを飲みまくれて気持ち良すぎた。



こうして16日間にもおよんだ激動の旅路が幕をおろした。
おわり





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