【自転車】パミールハイウェイ旅行記 その1(出国編)

長期ツアー
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はじめに

本記事は、2025年8月8日から8月24日までパミールハイウェイ(タジキスタン・キルギスタンを跨ぐ高原道路)を自転車で旅したレポ。

今回パミールハイウェイに行こうと思い立った経緯は、1年前に遡る。2024年8月、私はインドのラダックを旅していた。ラダックはヒマラヤ山脈の中に位置しており、ヒマラヤの3大高原道路(ラダック・パミールハイウェイ・カラコラムハイウェイ)のひとつに君臨している。2024年8月、そんなラダックの中でも特に標高の高い峠カルドゥン・ラに挑戦し、見事登頂することに成功。初めての海外ツーリングでかつ発展途上国だったこともあり大変なことも多かったが、その分達成感や刺激に溢れたエピソードの数々は記憶に深く刻まれていた。


そんなラダック旅から月日が流れ、次の行き先を考えていた。最初に候補として思い浮かんだのはスイス。スイスは昔から行ってみたかった国のひとつで、実際にルート作りや旅程を組むところまで構想を練っていた。でも航空券を買う段階まで来たところで「何か違うな…」とモヤモヤが残る。
こうやってモヤモヤしている時は、サイクリングでもしながら考えるのが一番と思い立ち、過去の思い出を振り返りながらタイヤを転がした。走っている中で、ふと大学時代「今しかできないことを全力で」をモットーに考動していたことが頭に浮かぶ。例えば、長期間を要する旅(日本縦断、北海道一周、九州一周など)をしたり、変わったお仕事(路面電車の車掌バイトなど)をしたり色々とやってきた。後から考えると今でもできることも多いかもしれないが、このモットーを軸に実行したことは思い返せばどれもかけがえのない思い出・経験になっているように思う。そんな思い出に浸りながらペダルを回していると、ふと頭の中に「パミールハイウェイ」というワードが浮かんだ。そしてラダック旅の下調べをしていた際、ヒマラヤ山脈にある「3大高原道路」の存在を見かけたことを思い出す。

その時は名前くらいしか知らなかったが、帰ってから興味本位で調べてみると、タジキスタンとキルギスを横断する全長約1,200kmの高原ルート。標高は平均して3,000mを超え、最高地点では4,600m以上に達する。ラダックにも負けない絶景と過酷さを併せ持つ、サイクリスト憧れの道だということが分かった。
調べれば調べるほど、その道のりのスケールに惹かれていく自分がいた。スイスの整備された道路や観光地の快適さも魅力的だけど、どこか「与えられた旅」に感じてしまう。一方で、パミールには「自分で切り開いていく旅」がある。地図上には何も書かれていない無名の村、電波のない荒野、たまに現れる遊牧民のテント。それらすべてが想像するだけでワクワクした。

「今しかできないことを全力で」

このモットーに照らして考えると、迷いはもうなかった。いつでも行けるスイスではなく、今この瞬間にしか挑めない「未知」を選ぼう。そう決めた瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなったのを覚えている。

こうして、2025年夏の旅先はパミールハイウェイに決まった。準備期間はおよそ2か月。英語どころかロシア語やタジク語が飛び交う未知の土地、情報の少ないルート。それらにひとつずつ向き合いながら、ついに迎えた8月8日。私は成田空港を飛び立った。

――ここから、自転車とともに始まった17日間の冒険。その記録を綴っていきたい。

日本出国

8月8日(金)15:30、選択労働制を活用し早めに退をキメて成田空港まで車をかっ飛ばす。

道中急な尿意に襲われ尊厳を失いかける等のちょっとしたピンチや、成田駅周辺のパーキング代が400円→600円/日に値上げしてて落ち込むなどのトラブルはあったものの、無事成田空港に到着。


今旅のフライトは、エアチャイナで成田空港⇔北京首都空港⇔タシュケント空港、ウズベキスタン航空でタシュケント→ドゥシャンベ空港と搭乗する旅程。

驚いたことに、今回も受託手荷物は特に開封させられることなく預かってもらうことに成功した。
何となく中国経由だと厳しくチェックされそうなイメージを持っていたが、国内線よりもユルユルのチェックで預かって貰えたので非常にラッキーだった。(復路も同様で、特に開封チェック等は無かった)


いざ中国へ…!!



機内食はタシュケントまで片道7万円ということを考慮すると「こんなもんかな~」という感じの味わい。ビールの雪花は、うっすい味わいで正直あまり美味しくはなかった。(マズいと言いながらもこの後3本くらい飲んじゃったけど…笑)

ユーラシア大陸、初上陸

8月9日(土)0:10、定刻通り無事北京首都空港に降り立った。今回北京に来たのはあくまでもトランジットではあるが、次のタシュケント行きの飛行機まで16時間ある。なので迷わず入国することにした。

中国の入国審査は何となく厳しいイメージがあったが、質問は「次のフライトではどこに行く予定か?」だけで約1分ですんなり入国。今日は北京空港で野宿しようと思っていたため、入国カードに「宿泊先:Beijing capital airport」と書いていたが、特にそれについて触れられることは無かった。


入国後は、本場の中華そばを食べたり天安門広場を観光して時間をつぶす。




中国に訪問する前、私は空気が汚くて英語も全然通ず観光しにくいイメージを持っていた。けど実際に中国を歩いてみると、空気は意外と澄んでいて日本とあまり変わらないように感じた。
英語については、実際簡単な単語でもほぼ通じなかったが、看板などの文字情報は漢字なので「読める!読めるぞ…!!」という感じで、会話もジェスチャーと翻訳アプリ(ポケトーク)を活用をすれば特に支障なくコミュニケーションを図ることができた。観光のしやすさとしてはかなり上位の方ではないかと思う。

看板は英語よりも漢字の方が圧倒的に理解しやすい

また、事前情報として、中国はVPNを使わないとGoogle系・X(Twitter)・Instagramなどが使えないとの情報があり心配していたが、(ahamoのデータローミングを使用していた場合)VPNなしでも閲覧制限を受けることは無く、特に不自由を感じる場面は無かった。

町は東京よりちょっと汚いかなぐらいの衛生環境ではあったけれど、全体的にご飯のレベルも高かったのも印象深かったので、また機会があれば本腰を入れて中国観光もしてみたいな。

中国脱出

8月9日(土)21:10、定刻よりも1時間40分遅れでようやくタシュケント空港に降り立った。ネオンが印象的な管制塔やすべて大文字で「TASHKENT INTERNATIONAL AIRPORT」と表記された看板が眼前に現れ、一気に「異郷の地に来てしまったな~」という実感がわいてくる。



無事受託手荷物を回収。からの空港内にUcellのブースがあり、SIMカードが862円/1か月分で売られていたので迷わず購入。最近だとe-simやAmazonで売ってるSIMカードを事前に買うという選択肢もあるけど、結局現地で買う方が安かったりe-simより電波が良かったりするので、(特に○○スタン系の国の場合は)現地で購入するのもオススメ。


次の飛行機が8:00発とホテル泊まるか微妙なラインなので、悩んだ末またまた空港泊。タシュケント空港はかなり小規模な空港で寝れそうな場所も少なかったが、3Fの端っこにいい感じ寝れそうな椅子を発見。快眠とは程遠いが、パニアバッグを枕代わりにして気休め程度には体を休めることができた。

試される大地・タジキスタン


まる2日間の長い長いトランジットを経て、ようやく最後のドゥシャンベ行きの飛行機に乗り込んだ。

飛行機からの眺めは、ヒマラヤ山脈を感じる壮大な景色が広がっており、「これからこんな道を走ることになるのか…」と不安と期待が高まり始める。




1時間のフライトを経てドゥシャンベに着陸。荷物は今回も五体満足な様子でひと安心。


輪行を解除した後、空港でプラプラしているとTcellのSIMカードが2,047円(130ソモニ)/60日間20GBで売られていた。パミール高原ではメガフォンのSIMカードの方が電波が入りやすく、かつ値段も半額くらいで入手できると事前リサーチで見ていたので買うか悩んだが、休日で店が閉まっていることが懸念されたので安牌を取ってTcellのSIMカードを購入した。


SIMカード入手後は両替コーナーで現地通貨をGETしたら完璧…と思っていたところでトラブル発生。クレジットカードを使って現金をGETする算段だったが、なぜかカードが弾かれて決済できなかったのだ。

昨年インドを訪れた際、「クレジットカード会社に事前連絡を済ませておけば、両替コーナーで現金化できること」は確認済みだった。なので今回は最低限の現金(160ドル)しか持ってきていなかったのだが、完全に裏目に出てしまった。

対人の両替窓口でクレジットカードの他デビットカードで試してみても無理だったので、町中のATMや銀行で試してみるも上手くいかず。結局この日は打開策が浮かばなかった。幸い通常のクレジットカード決済はできたので、確実にクレカに対応しているKFCとハイパーマートで食料を調達して無念のホテル飯を食らう。(本当はボルシチが食べたかった)

ドゥシャンベ2日目

「○○スタン系の首都の中でも特に見どころが無い」ことで名高いドゥシャンベで2日目の朝を迎えた。本来なら今日ホログ行きのシェアタクに乗る予定だったが、手元の現金が少なすぎるのでもう1日追加でドゥシャンベに滞在することを決心。

昨日に引き続き、ATMをあたってみても現金GETできず。また町の両替屋に行ってみたが、クレジットカード決済には当然のごとく対応していなかった。

途方に暮れながら公園のベンチで休んでいると、どこからか一匹の猫がやってきた。食べ物を狙ってやってきたのかと思ったが、何をするでもなくそっと膝の上で寝始めた。


そういえば最近、こうして公園のベンチでのんびりすることって全くしてなかったな~と思い返す。ふと深呼吸をするとコンクリートの水分が蒸発した匂いと植物の緑の香りが混ざった匂いが飛び込んでくる。日本のどこかで嗅いだ匂いとほぼ変わらない香りだ。

今いる場所は日本から遠く離れた見知らぬ土地ではあるけど、ここも日本と同じ地球の上にあるんだな~と感慨深い気持ちになった。


このまま旅程を変更してドゥシャンベ駅から大陸鉄道旅を始めちゃうのもまた一興かと考え始めていた時、あるひとつの打開策をひらめいた。

――国際送金である。

調べたところ特に「現地の銀行口座が無くても現金受け取り可能」っぽかったので

これしかない!!と思い試してみる。

そして恐る恐る銀行窓口でお金を受け取りに行くと…


無事600USDをGETすることに成功!!

かなり絶望的な状況で一時はどうなるかと思ったけど、苦境を乗り切った後に食べたボルシチはめちゃくちゃ美味しかった。


(※国際送金についてはこちらの記事で詳しく書いています。)

おまけ:ドゥシャンベ観光

ドゥシャンベは見どころが少ないコンパクトな町なので、自転車を使ってでも1日あれば十分全部観光名所を回ることができる。

至る所に点在しているおしゃれなカフェで休んだり


偉人っぽい銅像や


中央アジア感のある建物の数々。


ドゥシャンベ観光の中でも、ソモニ像は必見。
タジキスタンのシンボル的なオブジェなので、一見の価値があると思う。


町の規模感・距離的には自転車でも十分に観光可能ではあるけど、トロリーバスなど公共交通機関も整っているのでこういうを活用して観光するのもアリかと思った。


というのも、交通状況がかなり劣悪で自転車で走るのは正直かなり命懸だったからだ。歩道に逃げようとしても、大きな段差や階段、深い溝が至る所にあり、とてもまともに走れない。
全体的にサイクリストには優しい環境とは言い難いので、これから訪れる予定のある方は十分にご注意を笑

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