年越し宗谷岬2024 装備紹介

旅のヒント
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はじめに

本記事では、2023年12月27日から2024年1月4日の計9日間、
自転車で年越し宗谷岬に挑戦した際に使用した装備をご紹介します。

これからご紹介する装備は、私が雪ライドを始めてからの4年間を通して、
ある程度固めてきた装備になるので、一定の信頼はできると思います。

最終的な判断は自身ですることになると思いますが、
装備選びの一助にしていただけると幸いです!

装備選びの前提

自転車旅で使う装備は唯一の正解はなく、旅をする中でどのようなことをしたいのか
によって持って行く装備も変わってきます。

そのため私は、旅に出る前に大まかなテーマを決めたうえで、
持っている装備・自転車から最適なものをチョイスするようにしています。

旅の主旨

・写真を撮りながらのんびり楽しむ。(→非ファストライド)
・軽さよりもQOL重視。(→パニアバッグを使用)
・低温環境下でも野宿し、限界にチャレンジ。(→-25度を想定した野宿道具を用意)
・夕食はできるだけ自炊し、サバイバル感を味わう。(→十分な燃料が必要)


また、今回は寒冷地の雪道を走るシチュエーションが多くなることから、
通常のサイクリングでは無いリスクに対応する必要があります。
今回は、以下のようなリスクを想定、対応できるよう装備をチョイスしました。

想定されるリスク

・汗冷えにより低体温症になる。
・防寒不足や汗冷えにより、手先、足先が凍傷なり重体化。
・タイヤが滑り転倒、もしくは視界不良により後続車に轢かれる。
・ホワイトアウトにより停滞を余儀なくされ、食料が尽きる。

それでは各カテゴリーごとに装備を紹介していきます。

ウェア

ウェアは、登山ではおなじみの”レイヤリング”という考えにもとに選びました。

通常のサイクリングでは服の着脱はウィンドブレーカーくらいで、
あとはほぼ同じ服を着たまま走るというのが普通だと思います。
着膨れせず空気抵抗が減らせるメリットがあり、一定レベルの温度帯までは
安価でウェアが手に入るので良いのですが、冬の北海道ではあまりオススメできません。

なぜなら一つに集約された高機能ウェアは高価で、ラインナップも少ないことに加えて、
重ね着と比べて空気の層が少なくなるため、そもそも耐寒温度を低くしにくい構造であるからです。

そのため今回の年越し宗谷岬では、各役割ごとの服を重ね着し、
状況に応じて服を着脱する”レイヤリング”をするに至りました。

使用した装備は、以下の表のとおりです。

品名商品名購入
バラクラバミドルウールメリノバラクラバ(ワークマン)ワークマン
ニット帽(自転車以外用)ケーブルニット ワッチキャップ #1(モンベル)モンベル
ゴーグルL.W.アルパインゴーグル PL(モンベル)モンベル
アウターシェル上サイクル レインジャケット(モンベル)モンベル
アウターシェル下サイクルレイン パンツ(モンベル)モンベル
ダウンジャケット (休憩時用)プラズマ1000 ダウンジャケット(モンベル)モンベル
化繊綿パンツ (休憩時用)U.L.サーマラップ パンツモンベル
化繊綿ジャケットサーマラップ パーカモンベル
トレッキングパンツガイドパンツ厚手(モンベル)モンベル
インナー上 × 3着ジオラインM.W.(モンベル)モンベル
インナー下× 3着ジオラインM.W.(モンベル)モンベル
ソックス× 2足マウンテニアリング(スマートウール )Amazon
インナーソックス × 3足五本指ソックス(ミズノ)スーパー
グローブ防寒テムレス(ショーワグローブ)Amazon
インナーグローブ × 2双トレールアクション グローブ(モンベル)モンベル
スノーブーツアルパインクルーザー2800(モンベル)メルカリ

見てのとおりほぼ全身モンベルおじさんとなっていますが、
性能プラス、コンパクトさも重視して今まで買い揃えてきた結果になります笑

今回の旅では、走行時の気温が-16℃から1℃、就寝時が-13℃から-5℃でしたが、
このレイヤリングで特に汗をかくこともなくストレスフリーで走ることができました。

これらの装備の中でも特筆すべき点は、3点あります。

ミッドウェアがQOLを左右する

今回の旅は、自転車から降りて止まっている間も快適に過ごしたかったため、
ダウン・化繊パンツなど、非活動時もホカホカできるようアイテムも持ってきています。

これらのホカホカアイテムの中でも特に”プラズマ1000 ダウンジャケット”が要となっており、
これを羽織るだけで耐寒温度が10℃くらい下がるので今回とても活躍しました。

例えば、外で冷たい飲み物を飲むと体温が下がってしんどいようなシチュエーションでも、
このダウンを羽織っていれば美味しくいただくことができました。

シェルはレインウェアで代用

厳冬期登山用のシェルは、堅牢性が高く吹雪にあった時でも安心感が得られ、
また服の表面に加工がされていて、雪が付着しにくくなるメリットがあります。

ですが、ホワイトアウトしたらそもそも走らないことの方が多い自転車旅。
そこまでの性能はいらず、付着した雪が溶けて服が濡れることを防ぐことが
できれば良いのでは?と割り切って、今回はレインウェアを選択。

結果、道中軽く吹雪に遭ったりもしましたが、
その時も特にストレスを感じることなく走ることができました。

靴下は二重にレイヤリング

私は、ほかのひとより汗をかきやすい体質のため、汗冷えに悩んできました。
中でも足元の汗冷えには長年悩まされてきて、今まで以下3通りを試してきました。
①アウターソックス(SmartWool)のみ
②アウターソックス(SmartWool)+インナーソックス(finetrack)
③簡易VBL:アウターソックス(SmartWool)+ビニール袋+普通のソックス

ですが、どのパターンでも納得がいく結果を得られなかったため、
今回新たに”アウターソックス(SmartWool)+普通の五本指ソックス”で挑戦。

結果、五本指ソックスの速乾性の高さとアウターソックスの保温性を
絶妙なバランスで享受できて、終始ほっかほか。これは思わず感動しました。

要点を絞って書きましたが、ウェアの説明は以上になります。
不明点などありましたら、コメント欄かX(旧Twitter)にてお気軽にご連絡ください。

テントまわり

品名商品名購入
テントステラリッジ2型(モンベル)モンベル
テント用ロープテント付属のもの × 4本モンベル
グランドシートグラウンドシート ドーム2(モンベル)モンベル
スノーペグ今回は未携帯Amazon
スノーショベルコンパクトスノーショベル(モンベル)モンベル
エアマットW’s U.L. インサレーティッドマット(SEA TO SUMMIT)Amazon
マット(予備)Zライトソル(サーマレスト)Amazon
エアロプレミアムピロー(SEA TO SUMMIT)Amazon
寝袋オーロラ750DX(NANGA)楽天
ランタンランタン ハンギングEライト(Coleman) Amazon

テント関連
テント本体は、雪中キャンプでもオールシーズン用が使えるのでステラリッジを使用。
最低限空気穴があり、インナーがメッシュ素材のものでなければ正直何でも良いと思います。

一方で周辺アクセサリはいくつか必要で、雪面でも固定できるスノーペグと、
テントの設営場所を整えるための折りたたみショベルは持ってきたほうが良いです。

寝具
寝具はについては、社会人になってからかなり良いものを購入したため
当然のごとく暖かかったです笑

寝袋は-16℃まで対応、マットのR値は3.5になりますが、
特に底冷えしたり寒さで目が覚めるといったことは一切なく快適そのものでした。

しかし服だけでも寝られるレベルのウェアを持ってきているので、
どんな寝袋でも当然大丈夫、といった具合です。

コラム: マットのR値について

今回の旅では、性能を試すため私はエアマットのみ使いました。
ですが、もし仮にエアマットだけで寒かった場合は、
エアマットの下に普通のマットを敷くと断熱性を上げるために非常に効果的です。

よくマットの断熱性を表す数値として「R値」という指標が使われますが、
マットを重ねた場合、「マット1のR値+マット2のR値」の効果を得ることができます。

今回の場合、エアマットのR値が3.5+マットが2=合計5.5となり、
厳冬期でも十分すぎるスペックになります。

パンク等のトラブルに対するリスク分散にも繋がるので、是非ご活用ください。

自炊グッズ

品名商品名購入
バーナーウインドマスター(SOTO)Amazon
ガス缶GAS CARTRIDGE IP-250U(PRIMUS) Amazon
ガス缶カバーカートリッジソックプロテクター250(モンベル)モンベル
チャッカマンセコマ
クッカー(コッヘル)Ultra Light パン#18(EVERNEW) Amazon
おたま100均
箸、スプーン100均
ナイフホムセン
まな板ホムセン
調味料100均
ティッシュ100均
洗剤、スポンジ100均
ビニール袋 × 20枚100均

自炊グッズは、オールシーズン用とほぼ全て同じです。
ただ、ガス缶は通常ガスだと心許ないので、厳冬期専用のウルトラガスを購入。
またガス缶が冷えることを防ぐため通常はガス缶カバーも併用してます。

今回はカバーを忘れてしまったため、ガス缶を外気に晒しながら使用したところ、
-5℃前後までは火力が安定しました。
ですが-10℃で風もある時に使った時は、火力が明らかに落ちてしまいショボンとなりました。

耐寒グッズ

品名商品名購入
温度計サーモマックス50(エンペックス)Amazon
エマージェンシーシートエマージェンシーブランケット 1人用(SOL)Amazon
魔法瓶アルパイン サーモボトル(モンベル) × 2本モンベル
カイロめっちゃ熱いカイロ マグマ(桐灰)スーパー

今回は全体を通して暖かかったこともあり、
カイロやエマージェンシーシートは正直全く使いませんでした。

ですが長時間-10℃を下回る環境になった場合、カイロはスマホのバッテリー延命用、
エマージェンシーシートはブラケット、かじかんだ場合の末端保護、
グランドシート代わりになるなど重宝するので、持ってきて後悔はないです。

ただ魔法瓶については、今回も持ってきて正解でした。
休憩時にお湯を飲んでホッとできるのはもちろん、
何より飲水を確実に確保できる安心感はかなり大きかったです。

電子機器

品名商品名購入先
フロントライトRN1500(OLIGHT)Amazon
テールライト①Tight(キャットアイ)Amazon
テールライト②OMNI3 AUTO(キャットアイ)Amazon
モバイルバッテリー①PowerCore 26800mAh(Anker)Amazon
モバイルバッテリー②PowerCore Essential 20000mAh(Anker)Amazon
スマートフォンGalaxy S10(Samsung)
カメラD5500(Nikon)

電子機器は、夏場の長期旅で使ってきたものと同じ装備をチョイス。
今回は、一番寒い時でも-16℃までしか下がらなかったこともあり、
特にストレスなく使うことができました。

もっともライト類は、以前-24℃まで下がった時でも問題なく動作していたので
特に心配していませんでしたが、問題はスマホとカメラ。

これらは低温環境下で真っ先にダメになるので今回も心配していましたが、
何も起きなかったので拍子抜け(これはこれで少し寂しい笑)

自転車まわり

品名商品名購入先
自転車Glavel SL GRX810(Pearlcycle)
タイヤKahva 650B×2.1(45NRTH)BIKE24
ハンドルカバーハンドルカバー RBH-01(マルト)Amazon
フロントバッグ
フレームバッグ
パニアバッグバックローラークラシック(ORTLIEB)Amazon
バック用補修部品オルトリーブ
携帯空気入れBMP-23AEZ(Panaracer)Amazon
タイヤレバータイヤレバー(シュワルベ)Amazon
携帯工具バイクツールセット(PB SWISS)Amazon
チェーンカッターUniversal Chain Tool(Topeak)Amazon
ミッシングリンク自転車店
タイラップホムセン
ビニールテープホムセン
予備チューブ自転車店
チューブ用パッチスーパーパッチ(ParkTool)Amazon
輪行袋緊急用ウルトラ軽量輪行袋(縦型)お手製輪行袋

自転車はフルカーボンのグラベルロード、タイヤは2.1インチ(5.3cm)とそこそこ太めの幅をチョイス。
以前まではマラソンウィンター(700×30C)を使っていて、この幅でも走ることはできましたが、
時おり足元を取られるなどのヒヤリハットがあり、なかなか十分に雪ライドを楽しめませんでした。
オフロードで例えるなら、ところどころ水が流れた跡でできた溝に足元を取られる感覚に近いです。

そこで今回は、思い切って2.1インチの極太タイヤを履いたらどうなるか?
気になって走ってみた次第になります。

結果、以前は怪しげな路面だった時になるべくアスファルトが見えて黒くなっているところを
探して走っていたのが、特にシビアなライン取りを基にせず走れるまでになって
正直かなり感動しました。
ストッピングパワーも十分で、下り坂で急ブレーキをかけても
特に後輪が滑ることも無かったので安心してかっ飛ばすことが可能に…!

重量が重くなり輪行するのが大変になるのはデメリットではありますが、
これだけ楽しくかつ安全に走られるなら、今後はこのタイヤで良いかなって感じになりました。


以上で今回年越し宗谷岬で使用した装備紹介になります。
また雪ライドに関する記事はぼちぼち上げていく予定ですので、
気が向いたらまたお立ち寄りいただけると幸いです。それではッ!

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